先日終了した二人展『共振』の作品。

どんなものをテーマとして作りたいかは一年前に展示の予約を入れた直後にすでに決めていたのですが、その中でも面白いテーマが『人工/建物』です。

AIKA: 交渉　焦点の外側　改造

merrybell: 遠い未来　進化　融合

このキーワードは二人がそれぞれの絵画やドールに込めた想いを記しています。

羊毛絵画では直線的な表現はとても難しいそうですが、今回の作品ではフェルト地を別に作って張り合わせ、さらにその上から建物の線を糸で縫って表現していたり。ほかの素材と合わせたり、と随所にAIKAさんの遊び心が感じられます。

鉛筆で描いたイメージのデッサンを見せてもらったときは難しいテーマだなぁ、とドールで何を作るかは悩んだテーマのひとつです。

絵全体が夜の未来都市のような印象を受けたので、建物がダイナミックに見えるように人型ではないほうがよいと思いました。

そして絵の右側の部分が何やら提灯あんこうのように見えたので( *´艸)、なんとなくクジラがよいかなと思いました。

よくスチームパンクの世界に出てくるような空を飛ぶクジラ。舟のように都市に向かって泳いでいくイメージを思い浮かべ、もっと機械的なクジラに改造しようか悩んだ末、結局は普通のクジラにしました。

というのも、人工的なものというものの存在には必ず自然的な存在が側にいるはずだ、と思ったからです。地球に住む限り緑の中に生き続けるように。

自然的なテーマが好きなAIKAさんとわたしがあえて挑戦した作品でした。